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2022/10/01
政府は策定に着手した総合経済対策で、電気料金値上げの負担を軽減する制度を創設する。具体策として浮上するのが、1月にスタートしたガソリンの補助金制度に近い、電力小売会社に補助金を支給して価格上昇を抑える案。ただ、燃料費の高騰と円安が収まる兆しはなく、負担軽減策が長期化して財政支出が膨張する恐れがある。
足元の家庭向け電気料金は、電力大手10社全てで燃料費の上昇を価格転嫁できる制度の上限に到達。電力の調達コストが供給価格を上回る「逆ざや」に陥っており、中国電力は国の認可が必要な規制料金を含め全ての料金値上げを検討している。企業向け料金については、東京電力が来年4月から12~14%値上げする予定。岸田文雄首相は「来年春以降、(電気料金が)一気に2~3割の値上げとなる可能性がある」と危機感を示している。
もっとも、野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストの試算によると、家庭向けで2割の値上げ分を政府が補填(ほてん)すると年1.9兆円もの財政支出が必要。企業向けも補填すれば、支出は一段と膨らむ。
石油元売り会社に対するガソリン補助金は、当初3月までの予定だったが延長・拡充が繰り返され、12月分までの予算は3.2兆円に膨張した。これと同様に、電気料金の負担軽減策も「出口」が見えない事態に陥る可能性がある。
制度設計にも課題を抱える。電力小売会社は700社を超えており、経済産業省幹部は「膨大な数の小売りに補助金を円滑に支給するのは難しい」としている。
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